日本人独自の感性はどこからくるのか。
日本人の美的感性は、世界的にみても独特であると言われている。自然の風物が造り出す形・音・色・光と影を細やかにとらえながら、歌・童話・布地の模様などに描き出す。花鳥風月のことばが示すように、自然界にあるさまざまな風物、虫や鳥の形や声、風が運ぶ音や刻一刻と移り変わる景色の妙、月が映し出す幽玄の味わいなど、その感覚の細やかさは、どこからくるのだろうか。
本書は、伝統文様のデザイナーである著者が、その美意識の源を具体的にたどるひとつの方法として、明治・大正・昭和初期の近代教科書の挿絵と文章に探り、脈々と受け継がれてきた感性を明快に語る。
【目次より】
〈一〉四季の移ろい
挿絵が育てた四季の感性/人の一生/米と稲わらの文化/蝶・蜻蛉・虫の声
〈二〉超越する存在
「小さ子」の物語/大樹のはなし/仰ぎ見る富士・登る富士
〈三〉風雅のおしえ
花を待つこころ/そろったことば/洋薔薇と文明開化/月に想いを/
雪月花・こころ澄むかたち/小学唱歌と童謡
〈四〉生活の美
生活に美を/日常の美とやすらぎ/子どもに教えた日本の模様/
図案からデザインへ
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