リビングで“神様”は言った。「バカ波動を出すな!」
〈小学校に入る前から、幸福の科学の教義を教えられました。父や母から直接レクチャーを受けることはほとんどなく、教団の職員が家庭教師についていました。
そして「世の中の一般的な考えは、基本的に間違っている。齟齬があった場合は、我々が正しい。世の中の人が言うことを信じてはいけない」と常々言い聞かされました。(中略)
教祖であり神様である人の家に生まれるということが、どんなに奇妙か。この本では、実際に私が経験した日常を綴っていきたいと思います。〉(本文より)
監視カメラつきの勉強部屋、秘書の体罰、防弾ガラスつきの車、中学受験に失敗して後継者失格に。教祖の長男として生まれながら外界に生きる道を選んだ青年がすべてを告白した。
目次
まえがき
第一章私だけが知っている教団の内実
--霊言、カネ、政治活動、学校経営
第二章大川家で生まれ育つということ
第三章大川家の人々と両親の離婚
第四章脱会の真相
これからーーあとがきにかえて
著者紹介
宏洋(ひろし)
俳優、映画監督。1989年2月、宗教法人「幸福の科学」創始者兼総裁・大川隆法の長男として生まれる。青山学院大学法学部卒。2018年9月に教団を離れて以降は、教団の実態をYouTubeなどで発信。監督・主演・脚本を務める任侠アクションコメディ映画『グレー・ゾーン』が2020年下半期に公開予定。
レビュー(13件)
著者は非常に特殊な環境で育った割には常識的で驚きました。そして客観的に物事を見ていて賢い。読み物としてとても面白かったです。
普通の人が理解できる大変な家庭
著者は2018年に、自身の父親が教祖である新興宗教、幸福の科学からの離脱を宣言した。これに対して教団は猛反発したことから対立はエスカレートし、現在はYouTubeを中心に互いを非難している。また、教団は著者に対して損害賠償を求める裁判を起こしている。 しかし著書の内容は、教団の悪辣さをこれでもかと書いたものではなく、むしろ教祖や弟妹たちも長所も欠点もある普通の人間だということを描いている。著者の自由がない幼少期は、カルトに嵌った親が教義で子供を縛っている状態よりもむしろ、過度に教育熱心な一般家庭を想起させる。教祖の後妻や著者の弟妹たちの権力争いも、宗教的な用語でコーティングした普通の権力争いである。 親が教祖という家庭はなかなか無いだろうが、そこで起きていた問題は、一般社会に生きている人間が理解できないような狂ったものではない。もしくは、幼少時の環境が理不尽に厳しかったからこそ洗脳されなかった著者が、一般社会にも理解できるところにうまく問題を落とし込んでいるのかもしれない。