最小にして人類最大の宿敵 病原体の世界 歴史をも動かすミクロの攻防
私たちのおよそ2000万分の1の大きさのウイルス。ゲノムのサイズもヒト全ゲノムが約62億塩基対、2万2千個のタンパク質をコードすると言われているのに対し、新型コロナウイルスはたった29種類のタンパク質しかもたず、遺伝情報の量も非常に少ない、シンプルな存在。なのに私たちはなぜ新型コロナウイルス翻弄されるのでしょうか。
人類誕生から現在までの人の死因の累計第一位である感染症を引き起こす、ウイルスや細菌などの病原微生物(病原体)は、その小さな体と限られた遺伝情報量の中に、ヒトなどに感染して自らの子孫を効率よく増やして広めるための、巧妙で狡猾な生態を持つものばかりです。
本書では、そんな病原体たちが進化の過程で身に付けた、さまざまな感染戦略、生存戦略を紹介します。宿主に寄生することに特化した構造や機能、生態などの高度な進化は、いずれも驚くほどうまくできたしくみで、なかなかエキサイティングな世界です。恐ろしいものであると同時に、その「見事な」までの病原体について知っておくことが、次なる病原体との戦いの備えになるかもしれません。
第1章 病原体の正体
1-1病原体ってなんだろう?
1-2病原体の基礎知識(細菌ってどんな生き物?/ウイルスってどんな「生命体」?/真菌ってどんな生き物?/原虫ってどんな生き物?/蠕虫ってどんな生き物? ほか)
1-3感染症が起きるまで
1-4人体と病原体、ミクロの攻防
第2章 歴史を変えた病原体たち
2-1ペスト菌 -中世ヨーロッパの悪夢
2-2インフルエンザウイルス -人類に最後まで残る感染症
2-3梅毒トレポネーマ -海を越えて現れたステルス病原体
2-4コレラ菌 -脱水症状を起こす19世紀の死神
2-5結核菌 -世界の死因トップ10の病原菌
2-6痘瘡ウイルス -人類史上初の根絶された感染症
2-7ヒト免疫不全ウイルス -常識を覆した新興ウイルス
第3章 身近な病原体たちの戦略
3-1大腸菌 -知名度ナンバーワン細菌の知られざる実態
3-2麻疹ウイルス -免疫を記憶喪失にするウイルス
3-3ボツリヌス菌 -自然界最強の毒素を作る細菌
3-4プリオン -ゲノムを持たない病原体
第4章 日本を襲う? 要注意の病原体
4-1コロナウイルス -世界が一変した21世紀のパンデミック
4-2エボラウイルスと出血熱ウイルス -最も危険なウイルス
4-3重症熱性血小板減少症候群ウイルス -日本にもいた?出血熱ウイルス
4-4狂犬病ウイルス -致死率100%の感染症
4-5デングウイルス -顧みられない熱帯病
4-6薬剤耐性菌 -進化を続ける人類の宿敵
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