誰もを魅了する景観を持つスイス。この美しい山国は、また、欧州有数の金融センターであり、多数の多国籍企業や有力製造企業の本拠地をもつ「経済大国」である。しかもすでに19世紀において、英国に伍する産業競争力を持っていた。煙突の見えない「蒸気機関なき産業革命」はいかにして達成されたのか?その底には、ユダヤ商人ならぬプロテスタント商人によるネットワーク・投機取引と、分権的多言語国家の強靭な地域主権があった。「国民国家」の時代にあって、国境をまたいだ経済圏を形成し、内陸国にもかかわらず造船業を興し植民地貿易を展開した高ライン地域の近代は、M・ウエーバーのテーゼをはじめ社会経済史の「常識」を覆す。
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