二か月連続刊行「こうふく」二部作第二弾
ふたつの物語が、交互に描かれていく。ひとつは、結婚して十二年、三十九歳の調査会社中間管理職の「俺」の妻が、ある日、他の男の子を宿す話。もうひとつは、二〇三五年、小さなプロレス団体に所属する無敵の王者、アムンゼン・スコットの闘いの物語。
三十九歳の「俺」は、しだいに腹が膨れていく妻に激しい憤りを覚えながらも、その様子を見続ける。そして、自壊し、「俺」はバリ島に向かう。バリ島で溺れかけた「俺」は、ある光景を目にする。帰国後、妻の出産に立ち会う。生まれてきた子の肌の色は黒く輝いていた。
負けることなど考えられない王者、アムンゼン・スコットは、物語の最後、全くの新人レスラーの挑戦を受ける。その男のリング・ネームはサミー・サム。肌の色は黒く、その隆々たる体躯は、チャンピオンを思わぬ窮地に追い込む。リングサイドでは、ひときわ声を涸らして応援する初老の男がいたーー。
【編集担当からのおすすめ情報】
「こうふく」2部作2か月連続文庫化にあたり、「こうふく みどりの」に続き、巻末に漫画家・西原理恵子さんとの対談を掲載しています。装画は、「みどりの」に続き、漫画家・いくえみ綾さんにお願いしております。
レビュー(70件)
道
「こうふく みどりの」とテーマ(「道」)が共通するけれど時代の違う話。プロレスつながりで「こうふく みどりの」の緑ちゃんの家族もちらりと出てきます。なので「こうふく みどりの」を先に読んだ方がちょびっと面白いです。読まなくても大丈夫ですけど。
西さんの作品は読みやすくいつも期待通りです
「あおい」「さくら」「きいろのゾウ」が好きで読み始めた、西加奈子さん。 これはこれで、不思議な展開を楽しみながら読みました。