遊戯療法においては、「遊ぶこと」を通じてクライエントの心の問題が解決されていくと考えられているが、そもそもなぜ「遊ぶこと」でクライエントの心のありようが変化していくのだろうか。本書では、遊戯療法の代表的な理論である人間性心理学、精神分析、ユング心理学を批判的に検討しつつ、著者自らの実践事例と照らし合わせながら、遊戯療法における「遊ぶこと」の意味を探求し、遊戯療法それ自体の深みや可能性に迫っていく。
【目次】
刊行によせて
木村晴子記念基金について
まえがき
序章 遊戯療法における遊ぶことの捉えにくさ
1.遊戯療法の理論の現状
2.治療者の、遊戯療法の理論
3.遊ぶことの捉えにくさ
第1章 Huizinga, J.と人間性心理学における遊ぶこと
1.Huizinga, J.における遊ぶこと
2.人間性心理学における遊ぶこと
第2章 精神分析における遊ぶこと
1.Freud, A.の遊ぶこと
2.Klein, M.の遊ぶこと
3.Freud, S.の「糸巻き遊び」
4.Winnicott, D. W.の遊ぶことーー『遊ぶことと現実』の検討
5.まとめ
第3章 ユング心理学における遊ぶことーーJung, C. G.の遊びを通して
1.ユング心理学と遊戯療法
2.最初のイメージーー即自的なもの
3.魂としての石
4.人形と石の遊びーー向かい合う形
5.行為の中で生じる主体
6.遊びという形式ーー神話的意識から近代意識へ
7.Jung, C. G.における遊ぶこと
8.思考や概念としての遊ぶこと
第4章 事例1 自閉症児における遊ぶことの生成
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
第5章 事例2 遊ぶことによる語る主体の生成
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
第6章 事例3 遊ぶことにおける入る動きと否定する動き
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
第7章 まとめーー遊戯療法における遊ぶこと
1.はじめに
2.遊べないこと
3.遊ぶことに閉じられるクライエントのあり方
4.遊ぶことによる主体の生成
5.遊ぶことによる認識する主体の生成
6.本書の限界と今後の課題
註
引用文献
索引
初出一覧
謝辞
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