【輸入盤】イギリス組曲全曲 ヴォルフガング・リュプザム(リュート・チェンバロ)(2CD)
すべての音を克明に響かせた超高解像度演奏&録音
バッハ:イギリス組曲全曲 BWV806〜811
ヴォルフガング・リュプザム(リュート・チェンバロ)
バッハ演奏の大御所、ヴォルフガング・リュプザムが、イギリス組曲をリュート・チェンバロで演奏した全曲録音。リュプザムは1995年にもイギリス組曲全曲を録音していたので、これが2度目の取り組みとなりますが、前回はピアノ演奏で、今回はキース・ヒルの製作したリュート・チェンバロによる演奏という大きな違いがあります。
上の画像は1段目左から、バッハ、当時のイギリスの国章、ヴィルヘルムス宮殿(通称「黄色い城」)、2段目左から、ヴィルヘルム・エルンスト公、リュート・チェンバロ、ヴィルヘルムス宮殿内の「城教会」。
ブックレット(英語・12ページ)には、ドイツのオルガニストで教会音楽家のクリスティアン・フォン・ブローンによる解説が掲載。表紙の東洋風の龍の絵はキース・ヒルが以前チェンバロ装飾のために描いたものです。
リュート・チェンバロ
バッハはライプツィヒでは楽器のレンタルや販売仲介などをおこなっていたこともあってか、遺品目録にはチェンバロなど計8台もの鍵盤楽器が記載されており、うち2台はリュート・チェンバロでした。
リュート・チェンバロのオリジナルはすべて失われ、どのような外観の楽器かもわからないため、現在、さまざまな形で復元がおこなわれていますが、ガット弦が張られ、ダンパーを使用していないという点では共通のようです。
キース・ヒル製作による楽器を用いたここでのリュプザムの演奏は、穏やかで柔和なソノリティによる繊細で微妙な陰影のある表現が可能なものとなっています。
リュート・チェンバロ・シリーズ
リュート・チェンバロによるBrilliant Classicsのシリーズは、これまでフランス組曲集、トッカータ集、パルティータ集、平均律クラヴィーア曲集が発売済み( ゴルトベルク変奏曲はNAXOSから発売)。
シリーズの特徴ー1
このシリーズの録音の特徴は、眼の前に楽器が置かれたような距離感でリュート・チェンバロの音が聴こえてくることで、リュプザム自身がレコーディング・プロデューサーとエンジニアを兼ねているからこそできる大胆な手法ともいえます。
シリーズの特徴ー2
演奏の方も実に大胆です。バッハの音楽をいったん解体し、点検しながら組み上げて行くような独特のアプローチで、近接録音の効果もあってその音の情報量は膨大です。一方で通常聴かれる疾走感や元気なリズムといった要素は希薄化されており、リュプザムの演奏目的がフィジカルな快感ではないことは明らかです。
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作品情報イギリス組曲
作曲時期
かつてはケーテン時代に書かれたとされてきましたが、最近では各種資料の検証から、1715年頃、ヴァイマール時代の作曲と推測されています。
外部からの影響
「イギリス組曲」に最も影響を与えたとされるシャルル・デュパール [1676-1751]の「6つのクラヴサン組曲」がアムステルダムで出版されたのは1701年のことで、デュパールがロンドンで有名になるのは1703年頃。
バッハがそのデュパールの「6つのクラヴサン組曲」全曲を写譜したのはヴァイマール時代の1709年から1714年にかけてのことで、イギリス組曲の冒頭、第1番前奏曲の主題にはデュパールの組曲第1番のジーグが引用。ジーグはイギリス由来の舞曲でもあります(デュパールの4年後の1705年に出版されたガスパール・ル・ルーのジーグにも同じものがあります)。
曲名
「イギリス組曲」という曲名はバッハの命名ではなく他人によるもので、由来の推測にも諸説ありますが、デュパール引用
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