荒れ狂う大波から平和をもたらす恵みの海へ、またその逆へ。
覇権が複雑に交錯する太平洋を介して、「一つの体系」を私たちは生きている。
本書は、19世紀末から21世紀までのアジア太平洋の演劇を移動の視点で考察している。
移動と静止ーローカル・アイデンティティ生成の場、劇場に視点をおくことで移動を見出す。
■序論
劇場から、海を臨むー藤岡阿由未
■第1章
沖縄
歌劇『泊阿嘉』誕生の周辺
ー沖縄の劇場文化と辻(チージ)-石塚倫子
香港 コラム 映画館を兼ねた劇場ー香港の太平戯院ー赤井朋子
■第2章
上海
ライシャム劇場
ー上海バレエ・リュスのクラシック・バレエ上演ー蒔田裕美
台北 コラム 台湾・同仁社と近代演劇ー日本統治期における内地の影響ー石塚倫子
■第3章
シンガポール
シンガポール最初の英語演劇とカルチュラル・センターー赤井朋子
バンコク コラム 『王様と私』・『アンナと王様』
ータイでは上演禁止の、タイを舞台にした映画ー閑田朋子
ハノイ コラム ハノイ歌劇場ー現代ベトナムを築いた美しきランドマークー蒔田裕美
マニラ コラム 国立劇場タンガラン・パンバンサー占領と独立を経た複数のフィリピン演劇ー藤岡阿由未
■第4章
メルボルン
メルボルン・シアター・カンパニーの歴史と発展
ージョン・サムナーとレイ・ロウラーー川田伸道
オークランド コラム オセアニアのオリエンタリズム
ーオークランド・シビック・シアターの劇場建築ー藤岡阿由未
■第5章
ホノルル
クム・カフア・シアターとハワイのローカル演劇ー古木圭子
サンフランシスコ コラム 日米文化外交と戦争記念歌劇場ー藤岡阿由未
■第6章
ロサンゼルス
イースト・ウエスト・プレイヤーズにおけるアジア系アメリカ演劇の発展ー古木圭子
横浜 コラム ゲーテ座ー日本と西洋演劇の架け橋となった劇場ー川田伸道
■第7章
東京・浅草
巨大パノラマ劇場浅草
ー見世物と文明開化ー閑田朋子
大阪 コラム 関西のモダニズム文化と大阪朝日会館ー赤井朋子
■第8章
東京・浅草
帝国劇場における『東京行進曲』上演
ー大衆から国民へと変容する観客ー藤岡阿由未
あとがきー石塚倫子
索 引
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