倫理の問題は、「人間的自由の拡大」と「自然」の対立から生じる。「生命倫理」においての「自然」とは「普遍的な必然性」と「生命の尊厳」であり、本書では、それらの対立から生じるインフォームド・コンセントや安楽死、遺伝子操作など7つの代表的なテーマでの議論を紹介。2014年の初版に最新の動向も加えた、「生命倫理」について考える入門書の決定版。
読者のみなさんへ
第2版の刊行に際して
序 章 なぜいま「生命」に関して「倫理」が問題となるのか(黒崎 剛)
1 「生命」に関わる倫理と哲学の要求
2 「生命」に関する倫理の誕生ーー「バイオエシックス」と「生命倫理」
第1部 「自己決定権」をめぐる問題
第1章 患者の権利と倫理ーー「インフォームド・コンセント」の時代を生きるために(黒崎 剛 コラム/図表作成・金澤秀嗣)
1 患者中心の医療の時代ーー「インフォームド・コンセント」に基づく医療
2 インフォームド・コンセントの思想
3 インフォームド・コンセント型医療において発生する問題
4 インフォームド・コンセント型医療に対する期待
第2章 安楽死・尊厳死(黒崎 剛)
1 安楽死
2 尊厳死
第3章 人工妊娠中絶をめぐる議論(黒崎 剛 コラム/図表作成・竹村香織)
1 日本における人工妊娠中絶
2 中絶問題が社会的対立を生む国ーーアメリカ合衆国における分断
3 中絶をめぐる議論ーー「生命の尊厳」と「女性の自己決定権」との対立
4 中絶をめぐる争いを調停できるか
第2部 「生命操作」をめぐる問題
第4章 脳死と臓器移植(黒崎 剛/金澤秀嗣)
1 「脳死」という思想問題ーー生と死をどこで線引きするか
2 臓器移植で何が議論になっているのか
3 暫定的考察
4 新しい局面ーー臓器移植から再生医療へ
第5章 「生殖革命」は人間の何を変えるのか(小島優子/黒崎 剛)
1 人工生殖技術についての基礎知識
2 「家族」関係に関わる問題
3 生殖ビジネス
4 不妊の「治療」を超えてーー作る側の理屈と生命操作の接点
第6章 遺伝子操作ーー人間的自由の最終局面(黒崎 剛)
1 遺伝子を知る,操作する
2 遺伝子を知ること,操作することへの不安
3 人間の遺伝子操作へ向けられた反対論
4 遺伝子操作に秘められた哲学的問題
5 資本主義と遺伝子ーー坂を滑るのか,未来に着地するのか
第3部 「医療者の倫理」に関わる問題
第7章 医療倫理・臨床倫理・研究倫理(吉川栄省/野村俊明)
1 医療倫理の原則
2 臨床倫理学
3 患者(家族)-医療従事者関係の変化とチーム医療の時代
4 研究倫理
巻末資料
あとがき
索 引
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