玉音放送が戦争の終結を告げた1945(昭和20)年8月15日。
法学者、法律家たちはこの日をどのように迎えたのか。
戦中・戦後の学者、学問の有り様を生々しく切り取ったエッセイは
それ自体が貴重な記録だが、戦後日本社会と法学の歩んだ歴史を
考察するうえでも示唆に富んでいる。
本書は1975年、1976年の法学セミナーに収録した特別企画
「私の八月十五日」に、憲法、法制史、政治史の研究者が
解説を付したものである。
はしがき
私の八月十五日 第一集
三〇年目の八月一五日ーー戦争体験と法律家…………長谷川正安
三十年前の八月十五日と私…………小野清一郎
敗戦を喜ぶ…………横田喜三郎
裁判官として…………熊谷 弘
一弁護士が遭遇した民族の大時刻…………小林俊三
下呂の陸軍病院にて…………沼田稲次郎
ウェーバーとの出会い…………世良晃志郎
敗戦の日の前後…………兒島武雄
みどり児を抱えて…………浦辺 衛
見届けた悪魔の正体…………正木ひろし
京城の八月十五日…………鵜飼信成
重圧感からの解放…………田畑茂二郎
赤軍に投降して…………磯野誠一
欧露の収容所にて…………福島正夫
見込みのない愚かな戦争…………河村又介
私の八月十五日 第二集
二〇年後への待望…………植松 正
“自由のもたらす恵沢”…………宮沢俊義
安堵と不安の長い一日…………峯村光郎
神州から人間の国へ…………浅井清信
まさしく再生の出発点…………鈴木安蔵
敗戦直後の司法修習…………村松俊夫
崩壊した大学の再建…………田畑 忍
生涯の重要な分岐点…………安井 郁
待望と焦燥の三週間…………岡倉古志郎
八月十五日のあと…………杉村章三郎
終戦詔書を評して…………中村 哲
科学する心をなくしていた頃…………加藤新平
八月十五日の日記から…………林 修三
私の八月十五日…………舟橋諄一
私にとって敗戦は虚脱からの解放であったが、独立回復後の日本の法学界はふたたび私を虚脱状態に陥れた…………沼 正也
解 説
「統制」と「調査」--内地の司法官・「外地」の法学者にとっての「八月十五日」…………出口雄一
台北・京城・天皇制…………西村裕一
憲法学史の「語られ方」と法学方法論…………坂井大輔
「世界政府論」と「中立論」のあいだーー戦後国際法学のなかの日本政治外交史…………前田亮介
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