3・11による深刻な被害に向き合った時、倫理学の視点も大きな転換に迫られた。私たちは未来へ向けて何をすべきか? 第一部では、旧著『環境倫理学入門』で不十分であった問題を扱ったうえで、3・11以後発生した問題にどう対処すべきかを問題にする。第二部では、3・11の経験に加えて被爆国日本の抱える原爆投下の問題と絡める仕方で、世代間倫理をはるか未来の人間(らしきもの)の姿を模索する。第三部では、対話型ワークショップと観光学という異色の組み合わせとの対話を通じて、歴史問題も含めた世代間倫理の構築を目指す。改訂版では、初版第七章「原発事故をめぐる三書を読む」に代わり、「進化するファシリテーターー3・11以後に戸谷洋志『Jポップで考える哲学』を読むため」が新たな七章となり、最近の哲学業界で話題になっている、哲学カフェなどの対話型ワークショップの明暗について論じる。
序章
■第一部 環境倫理から世代間倫理へ
第一章 ゼロ年代における環境思想研究の新たな展開
第二章 ゼール『自然美学』の倫理学的位置づけ
第三章 社会技術論からみた科学技術社会論
■第二部 世代間倫理の深化
第四章 3・11以降の弁神論的思考とシェリング
第五章 「ナガサキ」から「フクシマ」へ
-本島等による「浦上燔祭説」の解釈をめぐって
第六章 「気づかう神」の世代間倫理ーヨーナスの自由論
■第三部 近接領域との対話
第七章 進化するファシリテーター
-3・11以後に戸谷洋志『Jポップで考える哲学』を読むため
第八章 記憶のエンターテインメント化は避けられないのか
-古市憲寿『誰も戦争を教えてくれなかった』と
東浩紀編『福島第一原発観光地化計画』を読む
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