自分は依存症かもしれないと思ったことがある人や、家族のとまらない行動に困っている人はたくさんいるだろう。メディアでは有名人の薬物やアルコール問題が頻繁にとりあげられ、「依存症」という言葉は広く知られているが、今なお「依存症=意志の弱さ」ととらえられがちだ。かつて摂食障害の当事者でもあった著者は、現代の資本主義社会において、「依存をめぐる行動はこの社会の中で必然的に生じる行動パターンのひとつ」と述べる。本書では、当事者コミュニティ(薬物依存の回復支援施設「ダルク」、依存症からの回復のための世界規模の共同体「十二ステップ・グループ」)における回復実践をみていきながら、これらが示す人類の新たな共生のあり方、そして「弱さから善さへと向かう意欲の物語」を描き出す。
レビュー(7件)
「今日1日」を支えてくれる一冊
自助グループ礼讃かなー、トレンドよなー、どこにも繋がらない当事者にはしんどいなー、と思いながら読んでいましたが、後半「どこにも繋がらない当事者」に言及されていき安心しました。 依存症の当事者かつ社会学者の広い視点と寄り添う姿勢を持った著者のスタンスが沁みます。 依存症はトラブルが起きやすく、偏見と無理解もはびこり、孤独と悪化の悪循環に陥るので あらゆるアディクションの方、アディクションの方のご家族や医療従事者など、関わりのある方や関心を持たれている方に読んで頂けるといいなと思います。