人類は見えざるモノに期待をかけ、また恐怖と不安を覚えてきた。誰もが浴びる紫外線は人間の生活を豊かにもまた損ないもする。紫外線への着目は、近代以降の日本の社会観、健康観、美容観、環境観の変遷を覗き見る上で有効であり、ジェンダーや人種に関する言説までをも浮き彫りにする。見えざるモノを主人公にした異色の科学史。
序 章 見えないモノの歴史
第1章 紫外線ブームの時代へ
一 未知の光線に対する期待と不安
二 ビタミンDに至る二つの道
三 紫外線ブームの到来
第2章 「人工太陽」のテクノロジー
一 紫外線ランプの誕生
二 紫外線の産業応用
三 紫外線をさえぎる〈現代文明〉
第3章 紫外線が映し出す世相
一 〈太陽に近い〉生活
二 紫外線とジェンダー・階級・人種
三 紫外線を動員せよ
第4章 戦後における紫外線
一 求められ続ける光線
二 健康・環境への見えざる敵
三 太陽を避ける時代へ
終 章 紫外線と人間・技術・文明
あとがき
参考文献
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