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「ポケット詩集」が出てから3年経って第2巻を出し、それから3年後に編んだ第3巻です。 3年毎に一冊ずつ刊行というのは偶然ですが、一冊の詞華集の編集にはそのくらいの年月が要るということかもしれません。 一巻目の編集時には、入りきらない名詩の山に溜息が出ましたが、二巻目のときも、それは同じでした。 ところが、3巻目の本書の編集作業を終えたとき、もう、これで十分やった、終わった、と思えました。 新たに加わった詩人は佐藤春夫、室生犀星、北原白秋、永瀬清子、天野忠、中原中也、堀口大学、寺山修二の各氏ほか。 とくに、江國香織さんの詩「父に」が入ったおかげで、「精神の高さ」の視点からのみ詩を選ぶ作業を強いてきた緊張感がほぐれて、春の風にあたったような安堵感が得られました。 「子どもたち、ポケットにしのばせるのは、ナイフではなく一冊の詩集であってほしい。」 ポケット詩集・全3巻がそんな役に立てたら、編者望外の喜びであります。
レビュー(11件)
1.2と同時購入。買ってよかったです。詩はなんとなくこそばがゆく、気恥ずかしい感じがしますが、短い文の中にこれだけ多くのものが込められていると感じられる詩がたくさんで、3巻とも編者の田中和雄さんのまえがきが1番良かったかもです。