「見べき程の事は見つ、今は自害せん」--。史上は目立たぬ平知盛を、滅亡の「運命」にあらがい、壇ノ浦の終末を見届けるや「からから」と笑う魅力的な人物として描き出す本書は、「年代記」を原点に成長してゆく平家物語と時代の心性を自在に論じ、深い感動を与える。掌篇六篇と共に、歴史家の透徹した眼差しを伝える。
平家物語
はじめに
一 運命について
二 『平家物語』の人々
三 『平家物語』の形式
四 合戦記と物語
むすびーー『平家物語』とその時代
あとがき
[平氏系図抄]
[附録]『平家物語』を読む人のためにーー参考文献について
付 論
一谷合戦の史料について
預所と目代
「院政期」という時代について
『愚管抄』の面白さ
永積氏の「方丈記と徒然草」を読んで
『中世散文集』について
初出一覧
解説(高橋昌明)
レビュー(3件)
平家物語の戦記物としての側面は学生の頃の古文の時間に触れていましたが、平家物語の全体像が、様々な文化的な視点の重層する、こんなにも豊かな物語だったとは思ってもみませんでした。とても興味深く読みました。