東雅夫氏、ロバート キャンベル氏推薦!
妖しくも豊沃な江戸の怪談文芸の世界へと誘う選集。
第二巻は前期読本時代の怪奇譚の名品四篇を集成。
近年、近世読本の始祖・都賀庭鐘作という説が再浮上する奇談集の佳品『垣根草』。
怪異に託し志の是非を述べた、高踏的内容を有する怪異譚『新斎夜語』正篇・続篇。
水谷不倒をして「幻の奇談中の逸品」と言わしめた、本文の紹介が長らく俟たれた傑作『唐土の吉野』。
奥妙にして高邁な、無上の寓言論的怪異譚!
***作品別 各話目次***
『垣根草』/草官散人(都賀庭鐘作説有) 明和7年(1770)刊
校訂=有澤知世
<全13話>
・深草の翁相字の術虵妖を知る事
・伊藤帯刀中将重衡の姫と冥婚の事
・塩飽正連荒田の祠を壊事
・在原業平文海に託して冤を訴ふる事
・覚明義仲を辞して石山に隠るる事
・鞆晴宗夫婦再生の縁をむすぶ事
・宇野六郎廃寺の怪に逢ふ事
・小桜奇縁によつて貴子をうむ事
・山村が子孫九世同居忍の字を守る事
・藪夢庵鍼砭の妙遂に道を得たる事
・松村兵庫古井の妖鏡を得たる事
・千載の斑狐一条太閤を試むる事
・環人見春澄を激して家を興さしむ事
『新斎夜語』/梅朧館主人(三橋成烈) 安永4年(1775)刊
校訂=浜田泰彦
<全9話>
・北野の社僧昭君の詩を難ず
・渡辺満綱古今の射法を弁ず
・小西氏の処女天遇の嫁をなす
・売茶翁数奇の正道を語る
・岐阜の老尼出離の縁を明かす
・戸田茂睡つれづれ草を読む
・室の妓女松風が任侠幸いを迎ふ
・嵯峨の隠士三光院殿を詰る
・鍛冶国助家業に託して士を諷ず
『続新斎夜語』/梅朧館主人(三橋成烈) 安永8年(1779)刊
校訂=篗田将樹
<全11話>
・蕉堅道人細川右典厩を貶す
附:妓女但馬籠鳥を放せし話
・浪華の五子父の命を贖はん事を訴ふ
・売茶翁再び竺叟が許に語る
・乞丐の老婆梅若大夫を詰る
・吉野の遁世者佐川田が歌を評す
・伏見の妓女呉竹遊女の趣を知る
附:両翁男女対斃の可否を論ず
・医官某剱相幷びに七つ目の支象を難ず
・奥州白河山中地仙墳の来由
・三光院殿再び嵯峨の草廬を訪ひ給ふ
・一品法親王寺門の遁災を知り給ふ
・一農夫の信義公廰を感ぜしむ
『唐土の吉野』/前川来太(伊丹屋善兵衛) 天明3年(1783)刊
校訂=飯倉洋一
<全10話>
・江州の儒士妖夢に惑て従類を害する事
・磯野が家の画幅為妖主を罪する事
・津川勇を好で怪異の為に冤を得る事
・木偶恋慕に感じて処女と同穴を契事
・大隅小平太奸計を以て寡婦を犯す事
・桂の方金龍の法を修して肉身を煞ぐ事
・無為翁盗賊を暁して善に帰せし事
・土塊の霊惟界坊が慢心を醒す事
・幽霊芭蕉の舞を奏て実誼を告る事
・樵夫白蛇を追て兜の瑞を見たる事
解説=飯倉洋一、有澤知世、篗田将樹
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