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どんな攻めをも、はね返す石垣。 どんな守りをも、打ち破る鉄砲。 「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説! 越前・一乗谷城は織田信長に落とされた。 幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。 匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。 秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次(きょうごくたかつぐ)より琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。 一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、国友衆(くにともしゅう)に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋を叩き潰す」と宣言する。 大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開けるーー。 【プロフィール】 今村翔吾(いまむら・しょうご) 1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビューし、同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。2018年「童神」(刊行時『童の神』に改題)で第10回角川春樹小説賞を受賞、同作は第160回直木賞候補となった。『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。2020年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞、第163回直木賞候補となった。2021年、「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞を受賞。他の文庫書き下ろしシリーズに「くらまし屋稼業」がある。
レビュー(434件)
究極を追求する躍動感がある
始めから終わりまで 惹きつけられて 物語の場面が浮かび 風景描写も心理描写も ぐっとくる表現力で感動しました 鬼気迫る最終章は圧巻でした
読書が好きな父に、父の日のプレゼントとして購入しました。 父の次に読ませてもらいます。
プレゼント
以前からリクエストを受けており、プレゼントとして購入しました
矛盾
秀吉亡き後の戦乱の時代。主人公は城の石垣を造る職人・匡介。落とされない石垣を造れば戦は無くなるという信念の持ち主だが、他方、鉄砲職人の彦九郎は、この武器の恐怖を知らしめれば戦は無くなると考えている。つまり矛と盾。この二人が琵琶の湖畔にある大津城で対決する。いわゆる戦国の小説だと武将同士の戦いだが、本作は、戦を陰で支える職人にスポットを当てた。この点は珍しく着眼もよい。ただ、読みづらい文体であり、もう少しこなれていてもいい気がする。
今村翔吾さんの本はほぼすべて読みました。これから楽しみです。