本書は、長年精神科診療に携わってきた著者が、統合失調症的パーソナリティを持つ症例の精神分析的治療経験に基づき構築した、その発生メカニズム仮説を提起。フロイトにとって曖昧であった原初のエロスを、「二重関係性」の観点から捉え直し、心的装置の「無底」を明らかにし、「胎生期からの心身発達理論」を展開。また、著者の豊かな臨床経験からにじみ出る言葉は、精神科全般にわたり、病態の根本的把握、患者の気持ちの理解と受容、心の交流を持つための面接技法などの臨床的知見を提示しており、これからの精神科治療に携わる方々への優れた臨床指導書となるだろう。
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