2014年秋、171年ぶりに金剛峯寺の「中門」が再建された。何を隠そう、この再建を取り仕切った堂宮大工こそが筆者である。タイトルに記されているように、和歌山県が認定している世界遺産マスターでもある筆者は、高野山で生まれ育ち、これまで青年会議所での活動や本業などを通じてさまざまな文化・歴史を伝承してきた。
そのような筆者が今回、開創1200年記念として、改めて高野山を見つめ直して広く紹介したのが本書である。これまでに出版されている観光ガイドブックなどでは絶対に知ることのできない「高野山」が、本書で紹介されている。中門再建にまつわるエピソードをはじめとして、語られている高野山の文化・歴史、これらを読むと参詣・観光の仕方が間違いなく変わるだろう。
筆者は次のように言っている。「高野山には日帰りでなく、ぜひ宿泊していただきたい。静かな座敷で落ち着いて精進料理をいただき、翌朝は本堂にて勤行に参加して住職の法話によって心が洗われてこそ、記憶に残る旅になるのではないかと思っている。そして、朝食後、奥之院の参道を一の橋から奥之院御廟までゆっくりと参拝し、午後は壇上伽藍や霊宝館を丹念に拝観していただきたい。そうすることによって、修行体験として写経や阿字観に取り組もうとする心の余裕も生まれるのではないだろうか」
弘法大師空海が1200年にわたって住み続けている高野山、宗派を問わない自由な聖地は、ナショナル・ジオグラフィックが「2015年に訪れるべき世界のベスト20の場所」として日本で唯一選んだ場所でもある。ぜひ、本書を読んでから訪れていただきたい。
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