命懸けの恋、禁断の恋、見返りの無い愛、このような恋愛には時代背景があるようだ。江戸以前から昭和の前半、農業などが中心の土地本位制経済だった。自然相手の経済は、集団社会が優先され、掟社会となる。村社会、大家族社会になり個人の自由は限りなく制限を余儀なくされる。そうした中での恋愛は美しく愛しく輝きそして儚い。東京オリンピック頃までは、まだ集団社会や掟社会が幅をきかせていた。核家族化が掟社会を変えていったが、今日に至ってもまだ村社会を引きずっている。人工知能ロボットが囲碁の世界王者に勝った。情報はあっという間もなく世界を駆け巡る。農業社会は、ここへきて変貌を余儀なくされている。やっとのことで個が優先される時代になってきた。単に人間を増やすという考えは農業社会、集団社会の残像ではないのか。働く人の所得を国家予算を使ってでも倍増させる必要がある。そうすれば間違いなく社会は活性化し、より高く発展する。集団社会から個の時代へと変わる頃の話4話をここに提供させて頂きます。ほんの少し前の話ですが、まだ掟社会のにおいがしてなつかしい。「新地の幽霊」では、ごく普通の女性がちょっとした間違いによって、男と女の辛く寂しい恋愛と彼女の一生、それにこの世から男としての未練を残しながら、去らざるを得なかった男達が彼女と絡み合う悲しい話を書いてみた。「命が惜しいー有馬の幽霊」では、物欲の極みと言われた老人が、美しい女性の一生を犠牲にした。女性はあきらめきれず若い男性と深い関係を持つことによって命を永らえようとする。「女郎蜘蛛ーとおりゃんせ」では、不幸を乗り越え命懸けの純愛を貫き通すことにより、未来が開けると言う話です。「幽霊電車は夜中に走るー少子化考」では、生命は自然の中で、大自然の理と変化の中で、男と女が宇宙を感じる時、命が発せられるのかもと言う話です。
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