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この身体こそ、文明の最後の利器。 29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。 子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかったーー。 北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。 『OUT』から25年、女性たちの困窮と憤怒を捉えつづける作家による、予言的ディストピア。 【著者略歴】 桐野夏生(きりの・なつお) 1951年金沢市生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。2015年には紫綬褒章を受章、21年には早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。『バラカ』『日没』『インドラネット』『砂に埋もれる犬』など著書多数。
レビュー(197件)
いつも実用書ばかりだけどたまには小説を読みたい…と購入。ネタバレになってしまうのであまり深掘りはしませんが、気になって一気に読んでしまいました。
ぐりとぐらこの先どんな人生が待っているんだろうか。楽しいし悲しい。
桐野ワールド全開(*^ー゚)
桐野夏生の真骨頂とも言える作品ですね。毒気と登場人物の軽薄さに辟易しながらも一気読み。嫌らしく、えげつないながらも、続編が読みたくなりました。エンディングも桐野さんらしいです。なぜか私は毎回、桐野さんのラストに好感が持てませんが、今回は、まぁ、こんなものだろうと納得しています(^.^)
楽しみです。
とにかく読むのが楽しみで、楽しみです!!