本来、国家公務員は、憲法第15条において「全体の奉仕者」として規定されており、一部の政治家や「特権階級」のために奉仕するものではなく、国民全体に奉仕する存在である。しかし、憲政史上、約7年8か月と最長となった第二次安倍政権、そしてその後を引き継いだ菅政権下において、公務員のあり方は大きく変容させられ、公務員に対する国民の目は厳しさを増している。
本書は、そうした状況を受け、行政法、労働法などの研究者と国家公務員で組織する労働組合が中心となって立ち上げた「公務員制度研究会」の成果をふまえて、国家公務員が置かれた現状と「全体の奉仕者」としての今後の課題について論じる。
はしがき
第1部 全体の奉仕者
1 公務員とはなにか
2 憲法から見た公務員ーー公務員の役割とは
3 国の行政の仕組みと国家公務員
第2部 公務員の役割と公務労働のあるべき姿
1 国民の生命と健康を守るために
2 労働者の権利を守るために
3 安心・安全な国土の維持、保存と建設をめざして
4 国民の権利と財産を守るために
5 国民のための経済産業政策の実現
6 違法電波から国民生活を守る
7 国民のための税制をめざして
8 国民の裁判を受ける権利の実現に向けて
9 県民のための沖縄の開発をめざして
第3部 公共サービスの現在
1 非常勤職員をめぐる現状と課題
(1)総論
(2)国の非常勤ーー現状と課題
(3)地方自治体の非常勤職員ーー現状と課題
(4)国立大学における非常勤職員問題
2 公務の市場化・民間化と公務員
(1)公務の市場化・民間化が公務員に及ぼす影響
(2)公務の市場化・民間化が公務員に及ぼす影響
(3)具体的事件を通した検討
1社保庁事件を通した検討
2CAD事件を通した検討
3 公務員と労働法ーー労働法から見た公務員
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