世界の各国で、リベラリズムにもとづく民主主義が行き詰まり、排外主義的な傾向を強めている。日本もまたアジアの民主化に背を向け、米軍に依存した米中新冷戦構造に自ら組み込まれようとしている。2019年5月から2020年9月までの1年半にわたって、沖縄、韓国、パレスチナを参照点におく、三人の気鋭の研究者が、世界と日本のバックラッシュの諸相を「三点観測」によって浮かび上がらせ、われわれが今どこにいるのかを明らかにする。
声のはじまりーー序に代えて[早尾貴紀]
第1部 島(辺境)/主体と他者
1-1 「オール沖縄」という主体とその危機[呉世宗]
1-2 難民の島、平和の島ーー済州島[趙慶喜]
1-3 〈辺境=最前線〉、そして〈極限〉としてのガザ地区[早尾貴紀]
第2部 現代的暴力の所在
2-1 東アジアの米軍基地のなかで重なり合う暴力、浮かび上がる歴史[呉世宗]
2-2 韓国の「フェミニズム・リブート」その後ーー日常のジェンダー暴力を可視化すること[趙慶喜]
2-3 「パレスチナの民族浄化」の完成形態としての「ユダヤ人の国民国家法」[早尾貴紀]
第3部 歴史認識と過去の清算
3-1 沖縄戦時の朝鮮人の歴史を掘り起こす[呉世宗]
3-2 否定の時代にいかに歴史の声を聴くかーー「反日種族主義」と韓国/日本[趙慶喜]
3-3 新型コロナウイルスの流行で露呈するレイシズムーーイスラエルの科学的言説による歴史修正主義[早尾貴紀]
第4部 主権の残余から
4-1 沖縄で政治化するウイルスとつながるディスタンスーー開かれた現場、開かれた歴史に向けて[呉世宗]
4-2 韓国の「慰安婦」運動、そして民主化を内破する「複数の政治」[趙慶喜]
4-3 BLM運動の広がりのなかでPalestinian Lives Matterにならないのはなぜか?[早尾貴紀]
鼎談ーー声に耳を澄ませたあとで
あとがき[趙慶喜]
あとがき[呉世宗]
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