九州、山村、山奥にひっそりと信者を招いた後、元の暮らしには決して帰さない犯罪カルトの拠点を目指し。……逢沢久斗(おうさわ・ひさと)は自ら発心し、キリストへの信仰心から教会の信者となるが、長崎のアトリエに残した彼女のことが気掛かりであった。……彼が夢にまで見る、美しい千歳(ちとせ)という名のモデルの存在があった。 二〇〇九年七月。長崎豪雨の日、千歳だけが描かれた絵を見せるために久斗は病院へと向かう。……フィレンツェの天井画を思わせるタッチの肖像画をスケッチブックに描き終え、精神科病棟に入院している千歳の元へ駆けつけた久斗は新興宗教への入信勧誘の返事を得る。 だが彼女が絵の代償に金銭を要求したことから狂気に浸され、久斗は失恋のショックから自殺未遂をする。 槙野孔明(まきの・よしあき)は久斗が堕ちてゆくのをネットで知ることとなる。自殺を予告する個人メールを受け取ったことから長崎まで呼び出されるが、友人知人を紹介することで教会のノルマに奔走する久斗の本当の目的に関わる。
レビュー(0件)