本人の言葉も紐解きながら、全体から細部へ、テーマからモチーフへと読み解いていく「一作一冊」シリーズの第三弾。
絵画の初源であり究極の表現とも言える白と黒。遠藤の最新作《雪・星ふりしきる》と《黒峠の陽光》の今まさに生まれつつある過程に立ち会い、画家の思考を追う。絵とは何だろうと問いかける旅へ誘います。
遠藤彰子ベストエッセイ15も収載。
【目 次】
はじめに──「一作一冊」第三弾として
1章 時代の移り変わりと創作
時代の空気感を表す
大作の作画法の終わりの始まり
画家にやって来た「啓示」とは
2章 一大叙事詩から象徴詩へ
現実もアニミズムも超え遥かな時空へ
王朝和歌以来の象徴性
〈白い絵〉から〈黒い絵〉への反転
3章 白い絵《雪・星ふりしきる》──オデッセイの億年の旅
1 蒼穹を往還する星々
──我々はどこから来て、どこへ行くのか
2 浮遊する三世代家族
──智慧は経験のむすめ
3 つながる娘、散乱する骨
──終末風景からのひそかな離脱
4 八本の足は星の光芒に対抗
──イカは海の王者のよう
5 消滅する星の軌跡
──そこには精霊はいない
6 旅する少女が再登場して
──「善きことに想いを馳せる」
7 死の雪山と天の河
──「一本の線でつながっている」
コラム…《海暮れゆけばただ仄かなる》
4章 黒い絵《黒峠の陽光》──現代の寓意画、現われる
1 人間の命運を握る魔物
──「怪物君」は犠牲者かもしれない
2 二体の「太っちょコウモリ」
──自然の摂理が生んだ異形のもの
3 まだ切れていないクモの糸
──共感の輪をすべての生き物に
4 救世主を期待される女
──力ではなく美によって
5 峨々たる山を登る人々
──遊行と巡礼を墜落に重ねて
6 白骨化の過程が河向こうに
──此岸と彼岸はつながっている
7 渉れない河に太陽が
──〈黒い絵〉で輝く暗赤色の日輪
コラム…《ことば響くあたり》
おわりに──「Akism=アキズム」戦線異常なし
巻末資料
遠藤彰子ベストエッセイ15
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