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僕の妹は、僕の指から産まれた。妹への感情は兄妹愛のそれを超え、「ひとつになりたい」と願う。(『星の恋人』) 飛行機墜落事故で生存した大輪未来と天野すみれ。 助け合う二人に、意外な形で別れの時は来る。(『ヴァイオライト』) 肩を壊した高校球児の雪輝。日々”成長”を続ける ヒナとの出会いで、彼が見つけたものはーー。(『日下兄妹』) 3人の兄妹が暮らす家に夜の闖入者、それは虫であり弟であった。 共同生活を始めた彼と兄妹たちの距離は縮まりーー。(『虫と歌』) 自分の指から生まれた妹への感情を綴る『星の恋人』。肩を壊した高校球児と成長を 続ける”ヒナ”との交流が胸を打つ『日下兄妹』。飛行機事故で遭難した二人の交流を描く『ヴァイオライト』。そして、衝撃の四季大賞受賞作『虫と歌』の計4編を収録。独特の世界観で様々な生命の繋がりを描き、月刊『アフタヌーン』にて掲載の度に反響拡大中の新鋭作家、待望の初単行本!! 星の恋人 ヴァイオライト 日下兄妹 虫と歌 ひみつ
レビュー(325件)
市川春子さんの作品を読んだのは初めてでした。家族がテーマの短編集。繊細な絵で描かれるどこか残酷、、どれも心に刺さります。怖いけれども読み返してしまい、その度に伏線や言葉や絵の意味を発見してしまう不思議な魅力のお話。本のカバーのデザインも凝っていて、これはリアル本でないと!
一読しただけだと割とわかりづらい作品が多いかもしれません。でも読み込むうちに作品にこめられた悲しい美しさに魅せられていきました。市川春子さんは静謐な物語を描かれる方なんですね。これからも作品を読みたいと思います。
以前から興味はあったものの、合わないような気がしてたのですが、宝石の国が面白かったので、こちらも。 響くものがありますね、台詞やコマ割り、仕草など、じわじわと効いてきます。どの作品も素敵ですが、日下兄妹が気に入ってます。表題作が最後にきてるのにもやられます。
おすすめ!
宝石の国でファンになり、この短編集も買いました 表題の虫と歌の話がとても好きです 話の最後もなんとも切ない終わり方で、不思議な感じがします 笑える!泣ける!みたいな単純な面白さではないですが 持っていて何度も読み返したい作品だと思います
市村春子節全開
短編には作者の性格や本質がでます。 市村先生の硬質さ、視線の鋭さ……生涯の一冊になりました。