ホワイトとエプストンの発表した「問題の外在化」,これとまったく同じ時期に同じ家族療法の文脈から,「問題の外在化」というキーワードを創出した心理臨床家が,本書の著者児島達美である。
以来,心理療法のポストモダン化は進展したものの,世界経済の動向や社会の保守化傾向などのなかで,心理療法のあり方は問われ続けている。本書は,そんな世界にある心理療法の本質的な意味を──著者独特の軽妙な深淵さのなかで──改めて問う力作である。
また,盟友であった故 和田憲明氏との3ケースにおよぶ紙上スーパーヴィジョンも掲載。効果のある心理療法にするための具体策が盛り込まれている。それに加え,故森俊夫氏とのトークセッションの原稿も収録。読み応えのある1冊になった。
第1部 私から家族療法へ
第1章 私が家族療法から教わったこと
第2章 遠い親戚のおじさんのように振る舞う
第3章 日本における夫婦療法のゆくえ
第2部 ブリーフ・セラピーそしてナラティヴ・セラピー
第4章 ブリーフ・セラピーへの招待
第5章 「問題の外在化」再考
第6章 心理療法にとって“ナラティヴ”とは
第7章 心理〈相談〉に固有のアセスメントは存在するか?
第3部 超・スーパービジョン実践編
第8章 ものわかりのよい,手のかからないセラピストとクライエント・その1
第9章 ものわかりのよい,手のかからないセラピストとクライエント・その2
第10章 若き男性セラピストの“軽はずみな羞恥心”・その1
第11章 若き男性セラピストの“軽はずみな羞恥心”・その2
第12章 子どもセラピーにはコマーシャル付きがおすすめ・その1
第13章 子どもセラピーにはコマーシャル付きがおすすめ・その2
第4部 “言葉が心をつくる”ということ
第14章 会話を続けることーコミュニケーション障害は治療的会話の促進を妨げるか?
第15章 高橋規子さんの“ナラティヴ”との対話
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