2022年5月に惜しくも急逝した気鋭のアメリカ研究者、葛藤に満ちたその思索と分析の過程をたどる。
オバマ登場後の2016年から、トランプ、バイデンによって深まる混迷など、折々の状況を踏まえつつ、死の直前まで書き継がれた、未発表作を含む時評28編をセレクト。そこには揺れ動き、先行きの定まらない米国を新たな枠組みから捉え直そうとする、実直な研究者の、挑戦の過程が現れています。【2023年10月 第35回「アジア・太平洋賞 選考委員会特別賞 受賞」】
刊行にあたって 土屋大洋/加茂具樹
01 「衰退するアメリカ」のしぶとさーー日米同盟を「再選択」する
02 トランプのアメリカと日米関係
03 オバマ外交とはなんだったのか
04 異形の大統領は世界をどこへ連れていくのかーートランプ外交の世界観
05 トランプ現象とはなにかーーアメリカにおける排外主義の淵源
06 アメリカン・ナショナリズムの反撃ーートランプ時代のウィルソン主義
07 トランプ大統領は本当に異質な存在なのか?
08 中間選挙の喧騒を渦中で見てーー共和党と民主党、それぞれの「いま」と「未来」
09 トランプ化する共和党ーーアメリカにおける保守主義運動の変質、もしくは終焉
10 極限化する政治的分断ーー中間選挙で浮かび上がったアメリカの政治的基層
11 トランプ後も続くアメリカ・ファースト
12 アメリカ・ファーストの系譜ーーそれはトランプを超える現象なのか
13 トランプ時代に進む米国の地殻変動ーー「保守」と「リベラル」共に変容
14 アメリカに社会主義はない?--民主党の「左傾化」をどう考えるか
15 二〇二〇年米国大統領選挙の外交的含意
16 トランプ外交のルーツ
17 タフな対中路線に舵を切るアメリカ
18 大統領選後も続く復元なき政治風景
19 二〇二〇年代のアメリカにおけるイデオロギー状況の暫定的考察
20 政治的分断と「いい加減な二極化」
21 バイデン政権の対中政策を信用できるか?
22 アフガン崩壊ーー「最も長い戦争」を強制リセットしたバイデンの「アメリカ・ファースト」
23 バイデン政権発足の意味
24 復元しないアメリカーーバイデン政権を拘束するもの
25 理念なき大国間競争時代の幕開けーー理念国家アメリカの蹉跌とアフガン撤退という「諦め」が意味するものは何か
26 コリン・パウエルと共に「大きな合意」を喪くす分断のアメリカ
27 バイデン政権と中東ーー「九・一一戦争」の終結とその含意
28 バイデン政権が向き合った三つの危機ーーそして、新たに加わったウクライナ危機
解題 会田弘継
中山俊宏さんの思い出 久保文明
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