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村山由佳デビュー30周年 記念碑的エッセイ 12の季節をめぐる記憶に引き出され、初めて明かすほんとうの想い。 【内容】 想い出をひもとくと、人生の味わいはぐっと深まる。 デビュー作『天使の卵』がベストセラーとなり、南房総・鴨川でのゆたかな自給自足生活。出奔そして離婚、東京での綱渡りの日々。常識はずれな軽井沢の家で新たな生活、3度目の結婚ーー。そんな村山由佳の大胆な生きざまと、作家としての30年を支えてきたものとは? 季節・猫・モノをキーワードにひもとく、極彩色の記憶たち。人気作家になって抱えた葛藤、編集者との関係、20年隠してきたある猫の秘密、過去の恋愛の数々など、初めて明かすエピソードも満載。 年若いあなたの肩を「案外、大丈夫よ」とやさしくたたき、人生後半戦のあなたに「この先が楽しみ」と思わせてくれる、滋味あふれるエッセイ集。 ・特別書き下ろし掌編小説16ページ収録! ・軽井沢暮らしや愛猫たちの写真も満載! ・貴重な著者直筆コメント多数収録! 【著者】 村山由佳(むらやま・ゆか) 1964年東京都生まれ。立教大学卒業。93年『天使の卵─エンジェルス・エッグ─』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞、09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞、21年『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞を受賞。『猫がいなけりゃ息もできない』『命とられるわけじゃない』『星屑』『ある愛の寓話』『Row&Row』など著書多数。
レビュー(17件)
昔から村山由佳さんの小説は好きで読んできました。今回は自伝書で今まで知らなかった彼女の一面に触れることができ、親近感を持ちました。嬉しいことも、辛いこともあったけれど、正面から向き合ってきたからこそ、今の満ち足りて幸せだと実感できる今があるのだと感じました。前向きになれる書です。
著者の猫ちゃんの話が好きなので、新しい話も有るかと楽しみに読ませて貰いました。軽井沢は憧れの場所でそんな所に住んでらっしゃる著者が羨ましいです。食べ物の話や猫ちゃんの話が良かったです。
凄み
デビュー作の「天使」シリーズ、濡れ場で売った「ダブルファンタジー」ほか、そして伊藤野枝の評伝小説「風よ あらしよ」。様々な分野を物し、幅を広げている村山由佳さん。大ファンである。ただ、これまでエッセイは今一つという印象だったが本作は、出色。30年、書き続けてきた生き様、3人の男との暮らしぶり、はては母との確執がリアルに描かれていて、これは物書きの性、すごさなのだろうと思う。最後の掌編小説はなくてもいい気がする。