学歴的に全く期待していなかったのですが、かなり良い作品で楽しめました。,中山七里さんの本を初めて読ませてもらいますが、他の人の本の最後のページにとても素晴らしい内容の本があったので、それが中山七里さんの本でした。 これから、読ませてもらうのがとても楽しみです。,物語のテーマは、臓器移植。でも一番最後まで読むと「カップルのあり方」がもう一つの隠れた主題なのではないか、という気もします。師匠と弟子がカップルになることは、例えば音楽など芸術の分野ではよくある話だと思いますが、それが短期間つきあって「はいサヨナラ」と終わるのではなく長期にわたるとなると・・・技能などを「教える」「教えられる」という関係性が「命令と服従」「支配と被支配」の関係に発展しかねない危険を孕んでいるが、それってどうなんだろう?という問題提起というところでしょうか。,臓器をすべて取り出すとなると、胸から下腹部に1本メスを入れると思ってた。 でもこの本を読んで、それはI字切開法であって、一番効率のいい切開方法は、左右の鎖骨あたりから胸へ、その後、胸から下腹部にメスを入れるY字切開法であることを知った。 まぁ、そんなことを知っても、今後、自分が手術を執刀する側になることはないから、別にいいねんけど、知らないことを知れた。 この本は、犯人を捕まえる以前に、脳死、移植手術、ドナー、レシピエントについて書かれていて、自分の知らないことだらけ満載やった。 でも、最後はやっぱり小説であって、本当の犯人が現れた時の、男女の思い込みの違いが切なかった。,中山七里の作品は、安心して読めます。 読みやすいうえに、どんでん返しもあって、ミステリーを読む愉しみを十分に与えてくれます。安心のブランド。
レビュー(192件)
学歴的に全く期待していなかったのですが、かなり良い作品で楽しめました。
中山七里さんの本を初めて読ませてもらいますが、他の人の本の最後のページにとても素晴らしい内容の本があったので、それが中山七里さんの本でした。 これから、読ませてもらうのがとても楽しみです。
物語のテーマは、臓器移植。でも一番最後まで読むと「カップルのあり方」がもう一つの隠れた主題なのではないか、という気もします。師匠と弟子がカップルになることは、例えば音楽など芸術の分野ではよくある話だと思いますが、それが短期間つきあって「はいサヨナラ」と終わるのではなく長期にわたるとなると・・・技能などを「教える」「教えられる」という関係性が「命令と服従」「支配と被支配」の関係に発展しかねない危険を孕んでいるが、それってどうなんだろう?という問題提起というところでしょうか。
犯人がわかるまでが面白かった
臓器をすべて取り出すとなると、胸から下腹部に1本メスを入れると思ってた。 でもこの本を読んで、それはI字切開法であって、一番効率のいい切開方法は、左右の鎖骨あたりから胸へ、その後、胸から下腹部にメスを入れるY字切開法であることを知った。 まぁ、そんなことを知っても、今後、自分が手術を執刀する側になることはないから、別にいいねんけど、知らないことを知れた。 この本は、犯人を捕まえる以前に、脳死、移植手術、ドナー、レシピエントについて書かれていて、自分の知らないことだらけ満載やった。 でも、最後はやっぱり小説であって、本当の犯人が現れた時の、男女の思い込みの違いが切なかった。
中山七里の作品は、安心して読めます。 読みやすいうえに、どんでん返しもあって、ミステリーを読む愉しみを十分に与えてくれます。安心のブランド。