逃げるか、とどまるか。極限状況で「自由」を求める人間の葛藤を描いた現代の寓話
砂丘へ昆虫採集に来た男が、女がひとり棲む穴底の家に囚われてしまう。退屈な日常から逃げ出そうとした男が、今度は蟻地獄のような砂の世界から抜け出そうともがく……。
教養を盾に部落の人間を啓蒙しようとする男の驕りと、生活のため繁殖のために男を引き留めようとする女の業。その対比と、しだいに砂穴での暮らしに順応してゆく男の変化をリアルに、飄々と、ときにアイロニカルなユーモアを交えて描写する人間観察の傑作。画学生時代から安部作品を愛読してきた漫画家のヤマザキマリ氏が、「自由」や「希望」の多義性に注目しながら解説する。
レビュー(3件)
砂の女を読みたくなった
砂の女は映画を少しみたが原作は未読だった様な。本テキストは物語の概要、解説をしている。番組の手引書。本番組は本作の糸口に使うと良い。改めて本作を読みたくなった。
Eテレの番組で拝見して購入しました。 4週に渡って1冊の本を紹介、考察まで聞ける。 本を手に取る前に良い学びになりました。 でも、内容は考えさせられました。 自由って何なんでしょうね。
安部公房の作品がこの番組で取り上げられるとは思いませんでした。内容は期待を上回るもので、ヤマザキさんの文章も興味深く拝読しています。このような切り口があったかと感心しています。