古典はそれに向きあう者と無関係に存在するのではない。古典理解のあり方を示して通説的なギリシア哲学史の相対化と書換えとを促し、哲学の初発=人間と世界を一体として把握しようとする初期哲学者たちの言語的営みの魅力をテクストにそくして語る。俯瞰的な視点が生きる諸論考に文化の横断を楽しむ小文を配した論集。
1 ギリシア哲学への新視座
創造的発見の場としての古典
古典の挑発力ーー「西洋古典学」から「ギリシア・ローマ学」へ
英知と学知のあいだーー古代ギリシア哲学が求めたもの
変貌する哲学史ーーギリシア哲学世界から見えてくるもの
2 ソクラテスの余波
プラトン的対話についてーー若干の補遺と再確認
哲学の始点における断片的対話
ギリシア・コスモポリタン列伝ーー「世界市民」の可能性を考えるために
3 言葉と宇宙
宇宙誌の文体ーー初期ギリシア哲学における言語と世界
人の語りとしてのロゴスーーヘラクレイトスにおける言語と世界
解体する自然のさ中なる生ーーエンペドクレスの「新断片」発見によせて
4 ギリシア哲学の周辺
西洋古典世界の植物相、あるいはJ・E・レイヴンのこと
失われたテクストを求めてーーV・ローゼのことなど
古代著作の再発見ーー中世写本から古代パピルスへ
連作短歌調『イリアス』--ホメロス定型訳の試み
乱舞する言葉の群
寺田寅彦とルクレティウス
『経国美談』の古代ギリシア世界
ガレノス覚書
「賢者」プルタルコス
あとがき
初出一覧
固有名索引
レビュー(0件)