かつて、患者の世話や死にゆく人へのケアは身内や友人たちが受け持っていた。今日では、医療福祉従事者が働きやすい人工的な環境(病院や施設)の中で病気の治療だけでなく、誕生も死もまた管理されている。入院による日常性の一時的喪失は、程度の差はあるが患者にストレスとなる。患者は病気の苦しみだけでなく、環境からのストレスにも対処しなければならない。医療保健の諸領域で活躍するナース(看護者)には、患者のあるがままの気持ちを理解し、必須のニーズに的確に対処することが期待される。また、患者や家族の人々の心の問題を科学的に洞察できる能力と、問題解決を支援する技能が求められている。ナースが求めている心理学の基礎知識を習得できるように意図的に構成されたのが、本書である。その内容は看護系の大学・短期大学・専門学校での心理学教育のなかで、学生たちが特に関心を示す事柄を可能なかぎり取り上げるように配慮している。
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