- 51
- 4.59
ヒトの腸内には100兆個もの微生物がいる! 体内微生物の生態系が破壊されると、さまざまな問題が発生する。肥満・アレルギー・うつ病など、微生物とあなたの健康の関係を解き明かす! [目次] プロローグ 回復はしたけれど 序章 人体の90%は微生物でできている 私たちは微生物と共に進化した 人体は微生物生態系に満ちている 第1章 21世紀の病気 健康向上に寄与した四つのイノベーション ヒトにとって「ふつう」でないことの急増 21世紀病を疫学的に問うてみる 第2章 あらゆる病気は腸からはじまる カロリー計算で体重コントロールはできない 微生物が引き起こす消化器系のトラブル エネルギーをどう吸収するか エネルギーをどう貯蔵するか 第3章 心を操る微生物 遅発性自閉症のきっかけ 腸と脳はつながっている 微生物が出す化学物質が信号になる 短鎖脂肪酸の役割 第4章 利己的な微生物 アレルギーを説明する「衛生仮説」の不備 ホロゲノム進化論 「旧友仮説」に書き換える 腸の透過性が上がるという現象 第5章 微生物世界の果てしなき戦い 無数の命を救ってきた薬 抗生物質が微生物集団の構成を変える 抗菌剤入り製品への懸念 第6章 あなたはあなたの微生物が食べたものでできている 栄養摂取の複雑なプロセス 微生物に必要な餌をやり忘れていないか 食物不耐症の謎 第7章 産声を上げたときから 産道にいる微生物 母乳の中にいる微生物 マイクロバイオームの驚くべき順応性 第8章 微生物生態系を修復する 微生物は補助食品として補充できるのか 他人の糞便を分けてもらう 理想のドナーを求めて 終 章 21世紀の健康 社会としての姿勢を変える 個人としての姿勢を変える エピローグ 100%の世話をする 謝辞/訳者あとがき/参考文献/図版出典
レビュー(51件)
10%HUMAN
素晴らしい内容です。腸内細菌叢をひとつの臓器として観ることの重要さ。どのように腸内細菌を誕生から得られるのか。新生児の健康には経腟分娩の大切さが示されています。10% HUMANの意味が良くわかります。
今まで「あそこの医者の薬はよく効く」とか、口コミばかりを信じて病院を選んで、あとは何も考えずにいましたが、これからは、医者がなぜこの薬を処方してくれたのか、説明をよーく聞こうと思いました。そして、食生活。主婦の私にとっては、食物繊維豊富な献立を毎回のように作ることは、正直大変な手間です。ですが、家族の健康を守るためには、とても大事なことなんだ、と再認識させられました。そして、子育てに関しても、うちの子は粉ミルクを拒否する赤ちゃんだったので、完全母乳でした。当時は、ずーっと抱っこしてないと寝てくれないし、完母なのに吐きやすい子で、、もう大変すぎてヘロヘロだったのですが、この本を読んで、報われた気持ちです。
日本語訳がこなれていて、読みやすい
家内がガンになり、幸い回復しましたが、 再発を防ぐ暮らし方をずっと模索していました。 免疫について何冊か本を読んで、 腸内細菌を大事にすると免疫がアップする事を知りました。 この本も、出版直後で話題のころ、図書館で借りて2回読みました。 いつでも読み直せるように手元におきたくて、とうとう買ってしまいました。 同じような内容の本が他の著者と訳者で出ていますが、 この本は、日本語訳がこなれていて、ぬきんでて読みやすいです。 訳者の矢野真千子さんが翻訳家で、細菌学の研究者とかではないからでしょう。 言葉をわかりやすく言い換えることに、心を砕いておられるから、読みやすいのだと思います。 "10%HUMAN" という元題から 「9割が細菌」 と、言い換えたのもスマートです。