母・静子の女手ひとつで育てられた大学三年の宮村涼太は、昏睡状態に入った母が大切に持ち続けていた「願いが叶うカード」に書かれていた『あなたと二人で歩くサンティアゴへの道』という言葉に惹かれる。
(子供の頃、母の誕生日にプレゼントしたカードがなぜ今頃?・・・) 涼太は、母が人生の終幕時に望んだ「スペイン巡礼道」を母の代わりに歩くためにフランスに在るスペイン国境の町へ向かった。
一人、八百キロの巡礼の道へ踏み出した涼太が人生初の巡礼で様々な出来事に触れていく中で、涼太は目の前に現れた同年齢の女子大生真理亜と共に旅していくことになる。寝食を共にしていく内、次第に明らかになっていく真理亜の姿。そして、明日がサンチアゴ到着という旅の最終日を前に、涼太は真理亜の決定的な告白を耳にしていた。
幼かった頃の家族、母の青春、そして与謝野晶子が紡いだ短歌集『みだれ髪』の世界がクロス・リンクしながら展開して行く著者初のスペイン巡礼の舞台にした長編小説。
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