【POD】オール・イン・ライフ 2045初夏 〜 小人の国のSDGs 〜
「自分は黒猫のジョナ。左目の虹彩だけが青いオッドアイだから結構目立つ。物心つく前からマチ11ピースの東端にある学者トムの家をねぐらにしている。」ときは2045年、ところは珊瑚の浮島『シジマ』。かつて全球を襲った『げきじん2022』の痛手は余りにも大きく、『SDGsリスタート2036』の成功によって『海流の中の十年の奇跡』と称えられた『シジマ』だけが、深く傷ついた人類の唯一の希望となっていた。この年、シジマは、ちょうど建国10年目にあたり、山も川も湖もない完全人工環境のこの国が想定外の持続的発展を遂げて来た軌跡を振り返り、新たな時代を切り開こうとしていた矢先、この国のお年寄り数千人のことごとくが一度にコビトに変状してしまうという異変に見舞われたのだった。世界政府(WG)は、コビト化がシジマ独自の菌テクノロジーに起因する感染症である疑いをぬぐえないとして全島を無期限に封鎖してしまう。シジマは世界中から『コビト化パンデミックの温床』と見做されながら、国民であることに変わりないコビトたちの保護と事態の解明に翻弄されることになった。コビト化と同期するように島とその周辺の生命全般に兆し始めた共感覚の拡大はいったいどんな意味があるのか。国の政策の大元としてミヤのイワドに秘蔵されている『ケイヤ文書』がこの事態を暗に予言していたとは本当のことなのか。果たして、一代帝であるミヲト、彼女とともに国を支える首相ブッチ氏、シジマ貝産業創始者のキッキ氏、菌学のトム博士らの懸命の努力は報われるだろうか。共感覚さらに間主観を拡大させつつある黒猫ジョナ、帝付きの若き女官コニーなどのわき役たちの活躍も見逃せない。
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