【POD】近未来における消費税の課税方式のあり方を考えるー公平・中立・簡素な課税方式の模索と消費税の直接税化構想の提言ー
<スマホアプリ「消費税法 無敵の一問一答」の制作者(第45回日税研究賞受賞者)が執筆!>
<複雑怪奇となった現行の消費税法の税制を一から作り直し、「公平・中立・簡素」な税制とするためにはどうすればよいかを徹底的に検証!>
<キャッシュレス社会の到来を見据えた「消費税の直接税化構想」を提唱!>
2023年は、消費税導入から35周年となる節目の年であるとともに、仕入税額控除の方式が従前の帳簿方式からインボイス方式へと大転換を遂げるため、消費税の課税方式の変遷を語るうえで極めて重要な年となります。
2023年10月1日以後、これまで消費税の納税義務が免除されてきた小規模な事業者の多くが、インボイスを発行できるようになるために新たに課税事業者となることが想定されます。しかし、現代の消費税の税制が事業者に対して強いる事務負担等は、新たに課税事業者となる小規模な事業者にとって耐えうるものであるとは言い難いのが現状です。
2019年10月1日以後、消費税率が10%に引き上げられたことに伴い複数税率制度が導入され、事務負担の煩雑さはますます増大することとなりました。また、一部の事業者による悪質な租税回避行為の横行を封じ込めるために幾度となく法改正が行われ、納税義務判定や簡易課税制度の適用判定に係る規定は非常に複雑化してしまいました。消費税における深刻な事故の多くは課税方式の判断ミスや届出ミスにより生じるため、皮肉なことに、本来なら小規模事業者への配慮のために設けられたこれらの規定が、小規模事業者の頭を最も悩ませる要因の一つとなっています。
そこで、本書では、間接税としての枠組みのもとで消費税が「公平・中立・簡素」な税制であるために、次の改革案を提言します。
1 事業者免税点制度を廃止し、すべての事業者を課税事業者とすること
2 限界控除制度を復活させ、適用下限額を下回る場合は申告不要とすること
3 簡易課税制度に関し、次のように改正すること
イ 調整対象固定資産及び高額特定資産について分離課税方式を導入すること
ロ 棚卸資産の調整措置を追加すること
ハ みなし仕入率を全体的に引き下げること
ニ 事前届出制・2年間継続適用義務を廃止し、事後的に選択できるようにすること
ホ 当課税期間の課税売上高が減少した事業者も適用可能とすること
4 不適切な還付申告につき、還付に代えて繰越控除とすることができるようにすること
5 非課税項目は縮小又は全廃するか、課税選択制度又はゼロ税率を導入すること
6 複数税率制度は廃止し、単一税率に戻すこと
7 雇用安定控除制度を導入すること
また、そこからさらにもう一歩踏み込んで、消費税の税制を考えるうえでの大前提である「消費税は間接税である」というこれまでの常識とされてきた概念の枠組みを飛び越え、「消費税を直接税化する」というまったく新しい発想のもと、キャッシュレス社会の到来を見据えて、キャッシュレス決済により物品やサービスを購入した場合に、消費税を即時に国庫に納付するという新たな課税方式(消費税の直接税化構想)の提案を試みます。
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