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女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。▼利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の「茶の道」を異界へと導いた、若き日の恋とは…。▼「侘び茶」を完成させ、「茶聖」と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。解説は作家の宮部みゆき氏。
レビュー(342件)
利休が切腹?
そんな理由で死んだのか・・・。 いい年して知らなかった私。 でも、人の見る目で値打ちの変わる茶道具、 使い方で値打ちの変わる茶道具。 自分の価値で図る値打ち。 色んな人物が面白く、二度読みして にっと笑いました。
美しい香合の最初の持ち主は
始めに利休の切腹直前の話が出てきて、そのあとだんだん思い人の話を絡ませながら過去に戻っていく書き方をとっている。
利休
秀吉に切腹を命じられ、取り巻きに取り直されてもなお、自分の美学を追求してやまない。 また、その潔さ。 侘び茶の境地から十九歳の時の高麗の美女との恋まで、利休の美学をこれでもかと見せつけられた。
ゆっくり味わう
時間を遡る書き方で、さらっと読んでしまうと内容がつまらなくなる為、じっくり考えながら読みたい本です
茶の湯の歴史を楽しく知る
一気に読んでしまいました。 初心者が、茶の湯について楽しく知るためには、よい読み物だと思います。