私は若かりし頃、先輩校長から教師は、「五者の精神」をもたなければならないと教わったことがあります。
「五者の精神」とは、「学者」、「役者」、「易者」、「芸者」、「医者」の五者を指し、教師の心構えと言いましょうか、教師の資質と言いましょうか、人を教える立場の教師にとっての要諦というべきものです。
それぞれ簡単に触れておきます。
「学者」とは、人にものを教える立場である以上、知識をしっかり身につけておかなければならないということです。
「役者」とは、子どもの心を動かすには、人を惹きつける力が必要であるということです。
「易者」とは、占い師のことですから、子どもの悩みや不安の相談に乗ってやり、安心して学校生活を送れるように精神的支柱になるということです。
「芸者」とは、人を楽しませる芸者さんのように、子どもが楽しく学ぶことのできる環境を整えてあげるということです。
「医者」とは、子どもの性格や心情、家庭環境などを知り、子どもの教育に生かすということです。
さて、子どもに話をする場合には、この五つのうち「役者」という心構えが最も大切になります。
子どもに話をする場合には、教師の願いや考えがなくてはなりません。しかし、堅苦しい話に終始してしまっては、教師の願いや考えどころか子どもの心には何も残りません。
ですから、話の内容はもちろん、話し方にも気を配る必要があります。抑揚や間の取り方、話の盛り上げ方、表情なども魅力的な話にするための重要な要素になります。
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