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行方不明の母ーその情報の断片に触れた小山臣は、以来、幼い頃からの実体験を夜ごと夢に見るように。過去の悪夢に怯えながら目覚めては傍にある秀島慈英の存在に安堵の息をつく臣は、母のことに向き合う決意をする。そんな折、慈英と契約関係にあるエージェント、アインが臣に「慈英をちょうだい」と言い放つ。驚き、怒りを覚える臣だが…!?
行方不明の母ーその情報の断片に触れた小山臣は、以来、幼い頃からの実体験を夜ごと夢に見るように。過去の悪夢に怯えながら目覚めては傍にある秀島慈英の存在に安堵の息をつく臣は、母のことに向き合う決意をする。そんな折、慈英と契約関係にあるエージェント、アインが臣に「慈英をちょうだい」と言い放つ。驚き、怒りを覚える臣だが…!?
レビュー(12件)
買ってよかった!
慈英x臣の「しなやか~」シリーズはCDから入りました。すべて借りたり聴いたりして、特に自分の好きなストーリーの「しなやかな熱情」と「はなやかな哀情」の文庫を持っています。ストーリーは全部追っているので、最終巻となる今回の「あでやかな愁情」も心待ちにしていました。買おうかどうしようか迷い、また中古でお手ごろになるまで待とうかとも思いましたがレビューや感想ブログなどをつぶさにチェックしてやっぱり早く読みたいと思い、今回の購入を決意。買ってよかったです。 あとがきにもありましたが、この表紙が実はこのストーリーのあらすじをほんの少し匂わせています。 母親に捨てられた臣が繰り返し過去をなぞる夢を見、目覚めて幸せな現実に戻る。自分の存在と言うものを問い続けてきた一人の男性が、本当の愛を受け取り始めたことで、揺らいでいた足元をしっかりと踏みしめて歩いていく姿が心強く切なく胸に来る作品でした。DVや虐待などの要素を取り入れているストーリーですが、痛くて辛くて読めない、という程ではありません。 記憶を失った慈英を東京に帰そうと決意したこともあった、自分が荷物になってこの男の足かせになるのでは、と悩んだ事もあった、自分が愛するものを守るためにとる行動が相手を傷つける事もあるのだと知った臣だったからこそ、自分の母親が自分を捨てたその本当の理由を知った時、許せないまでも受け止めて生きていく決意が出来たのだと思いました。 父親かもしれない人物が出てきたとき(あざやかな恋情)にはあれほど動揺していた臣が大した成長ぶり、それもこれも全部慈英を愛し、彼に愛されてきた自信がもたらしたものなのね、と二人を見守る読者はみな一様に彼を頼もしく思った事でしょう。 また、臣を見守り続けてきた慈英が相変わらずカッコいいのだけれど、同時に、逆にどんどんと素直になって可愛らしくなっていく姿も好感が持てます。 そして二人の間に初めてアインという当て馬が出てきますが、それほど苛々もさせられず個人的にはその点ストーリーを素直に楽しめました。個人的には照英さんにもう少し出てきてもらって、慈英の勝手に苛々する姿も少し観てみたかったですが、まぁその辺は話を複雑にしすぎてもね、ということで。 短編集が出るということですがコレで最後とはとても寂しいです。こういった切ない系のじっくりしたお話をまた読ませて欲しいです。
何だか物足りない
以前はこのシリーズ心持にして何度も読みなおしていたりしたのですが、碧の出てくる番外編が出たい頃から、何だかのめり込めなくなって、今回もさらりと一度読んだらもうおなかいっぱいで、読みなおす気も本を開く気にもなりませんでした。まだ続くようですが、一応ハッピーエンドだし私はこのシリーズ卒業です。
お待ちかねの、慈英&臣さん!母ちゃんの話がケリついてちょっとスッキリ(子供のころの回想は涙だけど)。
これで少しは暗い過去に明かりが差し込んだようです。遠距離になりますがこれからの2人に幸あれです。 ひとまず丸くおさまってよかった。はらはらドキドキが絶えません。