猫がしゃべり、鉄道が銀河を走る幻想的なイーハトーブの物語には、しかし、賢治が歩き、そして生きたリアルな土地の刻印が穿たれている。
風景との共同作業によってみずみずしく記述されたテクストを、〈場所〉をキーワードに7人の著者が読み解く。
執筆陣は、民俗学者・赤坂憲雄、詩人・吉田文憲が主宰していた賢治研究会「風信社」のメンバーたち。
0 なぜ〈場所〉から宮沢賢治を読むのか/岡村民夫
1 原風景としての丘のうえ/赤坂憲雄
コラム1 種山ヶ原/平澤信一
2 〈上の野原〉と〈さいかち淵〉──「風の又三郎」における場所について/吉田文憲
コラム2 さいかち淵/岡村民夫
3 「風の又三郎」の存在/不在──《三年生》の問題から《誰ともなく……叫んだもの》へ/平澤信一
コラム3 遠野/安智史
4 風景と存在──〈川〉という場所/澤田由紀子
コラム4 北上山地の石灰岩/岡村民夫
5 近代化する山中異界──山男、山猫(たち)と、馬車別当をめぐって/安智史
コラム5 花巻・盛岡の郊外/森本智子
6 賢治の〈郊外〉 まなざしのせめぎ合う場所/森本智子
コラム6 下根子桜の家/安智史
7 イーハトーブの装景──プロセスとしての賢治庭園/岡村民夫
コラム7 花巻の温泉/岡村民夫
あとがき
初出一覧
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