ホームレスや都市に生きるスズメ、日々ギャンブルする先住民ーー寄食とみなされる生き方は問題行為と捉えられる。しかし、実はかれらの存在によって公的な制度や支援は機能している。制度設計者側とは異なる寄食者の論理や実践に目を向け、様々な価値観に開かれた理解を目指す。
はじめにーー寄食という視点について(森明子)
序章 「埒外の政治ー経済」の人類学ーー公共性のエコロジー(内藤直樹)
【第1部 スキマをとらえる】
第1章 スズメが寄宿する都市ーーインフラストラクチャーと鳥類の関係(三上修)
第2章 ギャンブルと飲酒の場所づくり
--オーストラリア先住民社会における『福祉』(飯嶋秀治)
第3章 幸運なすれ違いがつくる場所ーーチリの先住民医療の現場から(工藤由美)
第4章 排除された人々が生み出す社会
--新宿の段ボール小屋集落に注目して(北川由紀彦)
第5章 物音と逃奔、そして帰還ーーハウジング・オンリーの抑圧(山北輝裕)
【第2部 寄食がつくる経済】
第6章 寄食者(パラジット)の共生
--東京都北区における障害者運動とだめ連の遭遇について(深田耕一郎)
第7章 聖なる共住の場ーー近代ドイツにおける慈善施設のケア空間(中野智世)
第8章 布施がつくる『開発』
--タイの仏法センターにおける移民・難民の出家について(岡部真由美)
第9章 うろんな歓待
--フィンランドのフードバンクにみる「公正」な分配のエコロジー(高橋絵里香)
第10章 これといった用のない「訪問者」
--ブッシュマン観光ロッジを行き交う人々(丸山淳子)
【第3部 公共空間のゆくえ】
第11章 ぎこちないランドスケープ
--オーストリアの家族農業とEU共通農業政策(森 明子)
第12章 国有林森林鉄道と地域住民の絡まりあい
--高知県東部・魚梁瀬森林鉄道を事例に(岩佐光広・赤池慎吾)
第13章 捨て子の生と公共空間ーー近世の捨て子の現場から(沢山美果子)
第14章 難民キャンプのエコロジー
--地勢と難民・紛争と観光・支援と環境の結びつき(久保忠行)
第15章 難民がつくる都市ーーサハラ以南アフリカにおける難民の経済活動(内藤直樹)
【第4部 異種の出会い】
第16章 海と毒ーー多種の出会い、多重のスケール(木村周平)
第17章 地球への薬効ーー薬用植物から考える公共空間の生態学(モハーチ ゲルゲイ)
第18章 ほどく、たかる、すまうーー自己攻撃時代の生の哲学(藤原辰史)
おわりにーー「何の変哲もない暮らし」のエコロジー(内藤直樹)
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