▼大国間の平和はなぜ失われたのか。
普仏戦争(1870〜71年)以降、多くの深刻な国際危機が生じたにもかかわらず、ヨーロッパでは40年にわたって大国間の平和が維持された。なぜ、1914年7月の危機を引き金に「史上初の総力戦」とも呼ばれる全面戦争へと発展してしまったのか。七月危機と、一連のモロッコ危機やバルカン戦争といったそれ以前の国際危機には、どのような違いがあったのか。大国間の全面戦争を望んでいなかったにもかかわらず、なぜ主要国の政治指導者は大戦争のリスクを冒したのか。
気鋭の歴史家ウィリアム・マリガンが、1914年の夏にヨーロッパの大国間の平和維持メカニズムが崩壊してしまった経緯と、第一次世界大戦が「不可避の戦争」ではなかった理由を、各国の国内情勢、外交の諸相、指導者の言動、軍部の計画や認識、世論の動向などの分析を通じて明快に解き明かす。
大国の戦略や思惑が世界規模で複雑に交錯し、過激な世論や各国間の経済関係の動向が大きな存在感を持つ現代にこそ、学ぶべき「歴史の教訓」がちりばめられた一冊。
▼ William Mulligan, <i>The Origins of the First World War</i>, 2nd editon( Cambridge University Press, 2017 ) の翻訳。
日本語版への序文
第二版への序文
謝 辞
<b>第一章 序 説</b>
<b>第二章 安全保障と拡張</b>--列強と地政学、一八七一年〜一九一四年
同盟システムの発展、一八七一年〜一八九四年/グローバル政治として
の大国政治、一八九五年〜一九〇四年/重大な転換点、一九〇四年〜一
九〇七年/ボスニアからモロッコへ、一九〇八年〜一九一一年/モロッ
コからボスニアへ、一九一一年〜一九一四年
<b>第三章 軍部・戦争・国際政治</b>
一九一四年以前の戦争計画/戦争への期待と現実、一八七一年〜一九一
四年/一九一四年以前の政軍関係/軍拡競争と国際政治
<b>第四章 世論と国際関係</b>
公共圏の構造の変化/対外政策に関する大衆の態度/各国政府と世論/
国境を越える世論の影響
<b>第五章 一九一四年以前の世界経済と国際政治</b>
経済力と軍事力/自由貿易・保護主義・国際政治/資本・投資家・国際
関係
<b>第六章 七月危機</b>
最後通牒/局地戦争からヨーロッパ戦争へ/ヨーロッパ戦争から世界大
戦へ
<b>第七章 結 論</b>
訳者解説
参考文献一覧
索 引
図表・地図一覧
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