近年、日本全国で管理されないまま放置されている空き家・農地・山林(放置資産)を、誰がどのように管理するのかが大きな社会問題となっている。放置資産は、住民のQOLを低下させ鳥獣被害や土砂崩れ等の発生率を高めるからである。一方、所有者の多くも「どう扱えばよいのかわからない」と悩んでいる。こうした中、著者も職員の一人としてこの問題に取り組んだのが鳥取県日南町である。日南町では、地域を離れた者も共同体の一員と捉え、共同体的な責務や将来生じるコストを見込んだ包括的な視点から放置資産の無償での寄付を受け付けている。これらの点を踏まえ、本書では、まず放置資産が生じる社会構造的要因と問題の解消を妨げる要因を放置資産所有者への調査等から分析。次に、日南町の取り組み等を踏まえ治安・防災・コミュニティ維持の観点から問題解消策を提言。著者自らが関わった経験等に基づき、今後、日本でますます深刻化する可能性の高い問題について解説した一冊。
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