柳田国男(1875年から1962年)民俗学者。
近代において個人の記憶や体験が科学とみなされることはほとんどなかった。その中にあって柳田国男は自身の、そして無数の生活者の記憶や経験を堆積させることによって、その背後からひとつの歴史を描き出した。青年詩人、農政学者、官僚から民間学者へと転身し、日本の民俗学の礎を築き上げた知の巨人の全貌を描く。
序 体験を記述するということ
第一章 はじまりの風景
1 松岡家のこと
2 辻川から北条の町へ
3 上 京
第二章 青年詩人
1 明治文壇の担い手との交流
2 両親の死と自らの主題との邂逅
3 外に頼らず、日本人を問う
第三章 官僚時代
1 法制局での濫読
2 独立した自営農民社会を目指す
3 『遠野物語』への道程
4 学問の輪郭
第四章 模索の時代
1 民俗の世界へ
2 官界のはざまで
3 記憶、体験を堆積させる
4 官界から在野へ
第五章 民俗学の確立に向けて
1 沖縄からヨーロッパへ
2 論壇の中へ
3 「連衆」の民俗学
第六章 戦時下における体制化
1 基礎をつくる
2 担い手となる人々
3 「銃後」の民俗学
第七章 保守主義者としての戦後
1 いよいよ働かなければならぬ世になりぬ
2 占領下での改革
3 変動の中で
第八章 総合される記憶
1 晩年の試練
2 「未完成」であること
参考文献
あとがき
柳田国男略年譜
人名・著作索引
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