「キャプテンは、」 耳の奥がきんとした。
「大地にお願いしたい」
背筋は伸びきったまま、制止した。息も止まった。周りがかすかにざわついた。
そのざわつきを押さえるように、「はい!」
威勢のよい声が、後ろからまっすぐ飛んできた。
「よし。大地、頼んだぞ」
「そうだ、周斗。キャプテンマーク、あとで大地にわたしといてくれ」
ずっとつけていたサッカーのキャプテンマークを、他のチームから移籍してきた大地に渡さなくてはいけなかった周斗。くやしくて、チームメイトからも孤立してしまう。自分がいやになっていた周斗が出会ったのは古ぼけた時代遅れの銭湯だった。あさのあつこ氏の推薦デビューの著者が描く、切なく温かい感動の物語。
「読んでいて、上質な児童文学ってこういうことだなあと、うならされました」(丸善 丸の内本店 兼森理恵氏)
「奥行きが深く、意外な物語展開が魅力的で素晴らしい作品だ」 (評論家 野上 暁氏 )
レビュー(10件)
近所の本屋さんになかったので購入しました。中学生の息子用です。
涙しました。
普段、ネットで数行の結論を追い求めている自分にとって 本の前半はじっと我慢を強いられましたが、 しっかり場が整って、温まった後の本の後半は 怒涛のように、前のめりになりながら、読み進みました。 主人公「周斗」へのもどかしさを感じながら成長の端緒に喜び、 いつのまにか自分に置き換え、今、本を閉じた自分の成長に期待感を持っています。 ・一番の山 ・すべての人の事情と正当性 ・Positive Word、Believing Majic ・両親の愛 ・・・って、うれしいほどいろんなことが詰まっている。 おまけに涙まで。 続編を読みたい、、、映像にならないかなぁ。