「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれた栄光の時代から一転、「失われた30年」という長きにわたる低迷に苦しんできた日本企業がいま、さらなる分岐点に立っている。みずからが持つ強靭性を洗い出し、外部とのパートナーシップによって世界をリードする新たな競争力を身につけ、華麗にトランスフォームできるかが問われている。
だがこのトランスフォームは、もはや自力だけでは不可能な時代となった。躍動する外部の力を取り込んで、いかに新たな価値創出ができるか。そこで各社が躍起になっているのが、オープンイノベーションやM&Aだ。スタートアップやベンチャーに投資し、事業提携や買収を目指す企業はごまんといるし、むしろGAFAが世界を席巻し続けている最大の理由はM&Aにある。スタートアップやベンチャーを買いまくることで、みずからをトランスフォームし続けているのである。
残念ながら、日本企業はこのトランスフォームがうまくいっていない。多くの日本企業がイノベーションの聖地・シリコンバレーに進出しているにもかかわらず、大きな成果を上げられていないところがほとんどだ。その理由は、シリコンバレーのインナーサークルに入れていないから。オフィスを構え、人を送り込むだけでは、けっして入れないコミュニティがそこにはある。そこで重要となるのが、「選ばれる力」だ。過去に成功体験を持つ大企業となれば、スタートアップやベンチャーが相手となると、つい相手を選んでしまいがちだが、大切なのは相手から選ばれること。しかも、世界トップクラスのスタートアップやベンチャーからいかに選ばれるか、そこにかかっている。
そこで本書では、世界トップクラスのスタートアップやベンチャーと最強のパートナーシップを築くための新たな仕組み「CVC4.0」を徹底紹介。日本企業が再び世界で輝くための方法について再考する。
レビュー(6件)
シリコンバレーを拠点とするベンチャーキャピタル ペガサステックベンチャーズのCEOアニス・ウッザマン氏と、一橋大学名誉教授 米倉誠一郎氏の共同著書。 本書では、シリコンバレーにおけるイノベーションや、日本企業が解決すべき課題はもちろん、CVCが各フェーズにおいて直面してきた問題、そして新たに生み出されたCVC4.0がイノベーションを可能にするその仕組みについて、実例をもとにディーテールに論述されている。 特に第4章にあげられているCVC4.0の成功事例については、日本の大手企業がどのようにしてイノベーションのプラットフォームとしてCVC4.0を活用したのかが紹介されており、それら具体的成果は非常に説得力がある。 本書の終章にもあるように、イノベーションの為のツールは日本企業の目の前にあるのだ。日本企業がCVC4.0という空飛ぶクルマに乗りブレイクスルーをすることを期待したい。 Just Do It! 日本企業に携わる全ての人がいま手に取るべき一冊だと感じた。