熊谷直実(1141年から1208年)武将。
東国の下級武士の家に生まれ、治承・寿永の乱においては功名を求めて獅子奮迅の活躍。一ノ谷合戦でついに平敦盛を討ちとるに至ったが、それを契機に出家したと伝えられる。所領にかける激しいエネルギーを、浄土への情熱に転化させたその生き方は、日本人に長く愛されてきた。本書は史実の中に見える実像と、後世の文学・芸能において語り伝えられた人物像を鮮やかに描き出す。
序 章 熊谷直実とは何だったのか
第一章 生い立ちと生き方
1 熊谷直実の素姓
2 所領への渇望
3 一ノ谷合戦まで
第二章 敦盛を討つ
1 一ノ谷合戦
2 「一二之懸」
3 「敦盛最期」--覚一本『平家物語』から
4 父親の心ーー延慶本『平家物語』から
5 直実の心と人々の心
第三章 出家と往生
1 熊谷直実の発心と出家
2 直実はなぜ出家したのか
3 浄土へのさきがけ
4 夢見る蓮生と「魔」
5 予告往生
第四章 熊谷直実伝の展開
1 熊谷直実と伝承世界ーー語り手としての直実
2 熊谷直実と中世文学ーー謡曲、御伽草子、幸若舞曲
3 熊谷直実と近世芸能ーー浄瑠璃、歌舞伎
4 熊谷直実と近世俗伝ーー忘れられた伝記群
5 熊谷直実と近代日本人ーー新渡戸稲造『武士道』
終 章 熊谷直実から何を学ぶか
引用参考文献
あとがき
熊谷直実略年譜
人名・事項索引
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