「精神と文化は不測不離の関係にある。文化は精神の表現であるとともに、精神は文化に強く規定されている」--医療人類学者アーサー・クラインマン、精神医学者ハリー・S・サリヴァン、哲学者マルティン・ハイデガー、数学者岡潔との対話、生きた精神科臨床の経験と考察、心的外傷、レジリアンス、憑依、非定型精神病との出遭い、治療文化論、地域文化精神医学、診断体系論への根源的な問い。日々繰り広げられる臨床と考察、江口重幸による解題「地貌と流謫」が織り成す、文化精神医学の深層に迫る臨床文化精神医学論考。
第1部 序論
クラインマン『ケアをすることの意味』
第2部 サリヴァン精神医学論
鵺的症候のサリヴァン精神医学的考察
社会体の歪みと心的外傷ー対話的民族誌とサリヴァンの発生学的精神医学による把握
第3部 治療文化論
治療文化論再考ー個人症候群をめぐって
個人症候群再考ーヤップ文化精神医学への回帰
レジリアンスと地域文化精神医学
文化精神医学を地域に生かす
非定型精神病とは何かーアイヌのイムからの考察
荻野恒一はどのように文化を精神医学に取り込んだのか
第4章 臨床言語論
憑依の背後にあるもの
語りの地層
ハイデガー『言葉への途上』を読む
第5部 結論
岡潔のこと
解題
地貌と流謫/江口重幸
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