●本書は、2001年から2006年までに書きためた精神障害リハビリテーション関係の論文を集めたものである。統合失調症を焦点にしており、その生物学的疾病性や障害構造論からはじめて、リハビリテーション実践技術や実践プログラムの研究動向をそろえ、最後に目標であるリカバリーについて総合的に論じており、本書を読むだけでも精神障害リハビリテーションの全体像をとらえることができる。
●目次
第1編 精神の障害とリハビリテーション
第1章 社会復帰と地域リハビリテーション
第2章 “慢性期”治療プログラムの要諦
第3章 国際障害分類の視点による精神障害
第4章 精神疾患における認知行動障害研究の動向
第5章 病識と疾病受容
第2編 リハビリテーション実務の過程
第6章 リハビリテーション導入時の面接
第7章 リハビリテーション過程
第8章 集団精神療法適用の意義と手続き
第9章 ケアマネジメントの実践
第10章 ケアマネジャーに必要なチームワークの技術
第11章 精神保健現場におけるケースカンファレンスの技術
第3編 社会資源の開発と調整
第12章 精神科医療における福祉
第13章 社会環境と日常生活活動
第14章 精神障害者に対する住居サービス技術の到達点
第15章 統合失調症の就労支援プログラム
第4編 リカバリーへの支援
第16章 ニュージーランドにおける精神保健改革とリカバリー運動
第17章 リカバリー概念の意義
第18章 精神障害リハビリテーションにおける人材育成の重要性
■解説
第1編では、統合失調症という疾病の経過をとらえ、特に「精神の障害」とリハビリテーションの概要を俯瞰する。続いて、WHO国際障害分類の視点から統合失調症の障害を整理する。さらに、旺盛な研究が展開されている認知行動障害について、解明された部分までを確認する。
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第2編では、リハビリテーションの実践技術を具体的に紹介する。最初の受理面接は、リハビリテーション導入において決定的に重要である。次に、リハビリテーションは一連の過程にそって進展することを理解していただく。提示された事例が参考になるであろう。また、リハビリテーションは社会生活に戻ることでもあり、原則的に集団形態を利用するため、集団精神療法の基本を紹介する。
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第3編では、社会環境と個人との関係に注目し、社会への働きかけの原則や技術について述べる。まず社会福祉の原則を整理する。これはソーシャルワーカーの視点である。次に日常生活活動(ADL)と社会環境との関係を論じる。これは作業療法士の視点である。その後、住居支援と就労支援に関する実践研究の到達点を紹介する。
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第4編では、リハビリテーションの目標であるリカバリーをめぐって、世界の中でもシステマティックに取り入れているニュージーランドの様子を紹介する。次に、わが国の専門職にはまだなじみの少ないリカバリー概念の歴史や実証的研究を総合的に論じる。最後に、精神障害をもつ人々に役立つ専門職とは何か、その人材を育成するための方向についてふれて全編を閉じる。
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